負担軽減で人材確保を

少子高齢化が進み、介護が必要となる高齢者が増える一方で、介護の担い手である介護士が不足している。人手不足の原因は複数があるが、その一つに介護職は肉体的な負担が大きいことが挙げられるだろう。確かに介護の仕事には、高齢者を支えたり持ち上げたりする身体介護があり、体への負担が大きい。しかし最近は、介護士の体に掛かる負担を軽減させるべく、さまざまな取り組みを行っている事業所も増えてきた。

例えば身体介護の中でも負担の大きいものに、入浴介助がある。入浴介助は浴室で行うため、狭い上に湿度と温度が高い。そんな状況の中、高齢者を支えたり、持ち上げたりしなければならないのだ。介護士の体には大きな負担が負担がかかるだろう。また入浴はヒートショックなどの危険もある。さらに床は濡れていて、滑りやすい。高齢者はもちろん、自分自身も滑らないように怪我をしないように注意を払わなければならない。入浴介助は精神的な負担もある業務なのだ。こうした入浴介助の負担を軽減すべく、滑り止めマットやシャワーチェア、入浴用車いすなどの福祉用具を取り入れている事業所は少なくない。中にはストレッチャー浴やチェアー浴、リフト浴といっった機械浴を導入している事業所もある。機械浴は人の手だけで介助するよりも介護士の負担が少なく、安全性も高い。そのため導入する事業所も増えてきている。

人手不足で悩んでいる介護業界では、人手を確保するためにこうした介護士の負担軽減に取り組んでいる職場が今後増えていくだろう。介護業界の未来もまだ捨てたものではないと言えるかもしれない。

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